この記事でわかること
- Bilt Card 2.0(Blue / Obsidian / Palladium)の3種類の違いと選び方
- 家賃・住居費という駐在員最大級の支出をポイント化する仕組みと、その正確な理解
- 年会費$0 / $95 / $495の3枚を、実利用価値でどう比較するか
最終確認日(Last Verified):2026-08-24
以下の年会費・獲得倍率・クレジット条件は、2026-08-24時点でBilt公式ページにて確認した内容です。条件は予告なく変更されます。Welcome Offerや提携移行先・比率は変動するため、本記事では数値を固定しません。申込前に必ず公式ページで最新条件をご確認ください。
結論:家賃という「今までポイントにならなかった支出」を扱えるかが論点
米国駐在では、家賃が月間支出のなかで最大級になることがよくあります。Biltは、その住居費の支払いをポイント獲得の対象にしうる点が他のカードと異なります。現在のBilt Card 2.0はBlue / Obsidian / Palladiumの3種類に分かれており、年会費と付帯特典が大きく異なります。まず「自分が住居費以外にどれだけBiltへ支出を寄せるか」を決めてから、どのグレードを選ぶかを考えるのが順序です。
ZAISTEP QUICK VIEW
- 年会費:Blue $0 / Obsidian $95 / Palladium $495
- 主な強み:Bilt経由の対象住居費支払いにtransaction feeがかからないこと、住居費をポイント対象にできること
- 主な弱み:グレードごとに特典が大きく異なり、上位は年会費の回収に旅行・外食の実績が必要
- 向く人:自分名義で家賃・住宅ローン等の住居費を支払っている駐在員
- 出口:提携航空会社・ホテルへの移行
住居費支払いの仕組み(誤解の多いポイント)
Biltの住居費支払いは、管理会社がクレジットカード決済に対応しているかどうかとは別の仕組みです。Bilt側から発行される専用のaccount number / routing numberを、管理会社の支払い先として登録することで、管理会社には通常の銀行送金(ACH/小切手等)として支払いが届き、利用者側はカードの支払いとして処理されます。
このため、「管理会社がカード決済に対応していないと使えない」「通常のカード決済手数料が発生する」という説明は、現在のBilt Card 2.0には当てはまりません。ただし管理会社側が独自にオンライン支払い手数料を設定している場合など、Bilt以外の要因で費用が発生する可能性はあるため、契約先の支払い条件は事前に確認してください。
また、旧Bilt Mastercardにあった「月内に一定回数の利用がないと家賃分の還元が下がる」という条件は、本記事では扱いません。現在のカード構成における条件は公式ページでご確認ください。
3グレードの比較
Obsidian(年会費 $95) - dining または grocery:3X(groceryは年間$25,000の上限あり) - other travel:2X - Bilt Travel経由のhotels:4X/flights:3X - Bilt Travel Hotel credit:年間$100(半期ごとに$50、2泊以上が条件)
Palladium(年会費 $495) - everyday purchases:2X - Bilt Travel経由のhotels:4X/flights:3X - Lyft:4X - Bilt dining partners:最大5X - Bilt Cash:年間$200 - Bilt Travel Hotel credit:年間$400(半期ごとに$200、2泊以上が条件) - Priority Pass
各グレードの使い分け
- Blue:年会費$0なので、「住居費をポイント化する口座」としてだけ持つ使い方に向きます。日常支出は1Xなので、他の高還元カードと併用する前提です。渡米直後で年会費を増やしたくない段階でも選びやすいグレードです。
- Obsidian:dining または grocery の3Xが中心的な価値です。groceryを選ぶ場合は年間$25,000の上限があるため、家族世帯は年後半の到達可能性を確認してください。年会費$95に対して、Bilt Travel Hotel creditの$100(半期$50・2泊以上)を実際に使えるかが最初の分岐です。
- Palladium:年会費$495に対し、Bilt Cash $200とBilt Travel Hotel credit $400が用意されています。ただしホテルクレジットは半期$200・2泊以上・Bilt Travel経由という条件付きなので、年2回そうした旅程がある人でないと満額は消化できません。everyday 2XとPriority Passに加えて、この旅程が現実的にあるかが判断軸になります。
還元カテゴリーの具体的な使い方
- 住居費:Bilt経由の対象支払いにtransaction feeはかかりません。housing-only rewardsオプションでは最大1.25Xです。金額が大きい支出なので、たとえ倍率が低くても年間のポイント量としては無視できない規模になります。
- 外食・グロサリー:Obsidianはdining または grocery の3X(groceryは年$25,000上限)、PalladiumはBilt dining partnersで最大5X、Blueは最大4Xと、グレードで設計が異なります。自分の支出比率と照らして選んでください。
- 旅行:Bilt Travel経由のhotels / flightsはグレードごとに倍率が上がります。ただし予約経路が固定されるため、価格やキャンセル条件を他の予約先と比べてから使うのが安全です。
- Lyft:Blueで3X、Palladiumで4X。都市部で日常的にLyftを使うかどうかで価値が変わります。
額面ではなく実利用価値での評価
「住居費 × 還元率」で単純に得点を計算する前に、まずグレードごとの年会費と、消化できるクレジットだけを突き合わせてください。Palladiumのクレジット合計は$600(Bilt Cash $200+ホテル$400)ですが、ホテルクレジットは半期$200・2泊以上・Bilt Travel経由という条件があり、旅程が合わなければ実質価値は下がります。額面合計ではなく、直近12ヶ月の自分の旅程・支出で実際に使える分だけを数えるのがZAISTEPの評価方法です。
Personal Annual Costの考え方と計算例
- 選ぶグレードの年会費($0 / $95 / $495)を上に置く
- 確実に消化できるクレジットだけを引く(使わないものは0で数える)
- 住居費 × 対象の獲得率で、年間のポイント量を出す
- 日常カテゴリ(dining / grocery / travel / Lyft)の支出 × 倍率差から追加獲得分を出す
- 合計ポイントを、自分が実際に使う出口の価値で控えめに換算して比較する
例:家賃$2,500/月の世帯がBlue(年会費$0)でhousing-only rewardsを使う場合、年間$30,000の住居費が対象になります。年会費が発生しないため、この分はそのまま上積みになります。一方Palladium(年会費$495)を選ぶなら、Bilt Cash $200は比較的消化しやすい一方、ホテルクレジット$400を満額使うには半期ごとに2泊以上のBilt Travel予約が必要です。年1回しか使えないなら控除は$200+$200=$400で、$95前後が持ち出しとなり、everyday 2XとPriority Passでそれを上回るかを検討することになります。
競合カード比較
- Chase Sapphire Preferred:住居費は対象になりませんが、旅行・外食を汎用的に積み上げたい場合の代替になります。
- Amex Gold:食費・外食に強みを置く点でBiltと補完的に使える組み合わせです。住居費はBilt、食費はGold、という役割分担は現実的です。
- 楽天ポイントとの連携やAtmos経由の家賃支払いを検討している場合は、BiltとRakuten Pointsの関係とBiltとAtmosでの家賃支払いも参照してください。
向く人/向かない人
向く人 - 賃貸または住宅ローンの支払いを、自分名義で行っている人 - 会社の借上社宅ではなく、自分で家賃を払っている駐在員 - 貯めたポイントを航空・ホテルへの移行で使う想定がある人 - まずは年会費$0のBlueから始めて、生活が固まってから上位を検討できる人
向かない人 - 家賃が会社負担・会社契約の場合(このカードの中心的な利点はほぼ消えます) - 住居費以外の支出をBiltへ寄せる予定がなく、上位グレードの年会費だけ増やしてしまう人 - 渡米直後でクレジットヒストリーが浅く、審査面で選択肢が限られる人
家賃が会社負担・会社契約の場合は、アメリカ駐在で最初のカードを選ぶ考え方の枠組みで、汎用型を選ぶほうが合理的です。
ポイントの出口(移行先・航空会社/ホテル)
Biltポイントの主な出口は、提携航空会社・ホテルプログラムへの移行です。比率・対象プログラムは提携状況によって変わるため、実行直前に公式の一覧を確認してください。日本の航空会社を出口にする場合は米国発行カードのポイントをANA/JALへ移す方法、マリオットやヒルトンのポイント基礎はマリオットポイントの基礎・ヒルトンポイントの基礎も参照してください。
弱点・注意点
- グレード選択の誤り:住居費のポイント化だけが目的なら、年会費$495のPalladiumは過剰になりがちです。
- 条件の変更:獲得条件・提携先・倍率は変わりえます。長期前提の計画には向きません。
- クレジットの条件:Obsidian / Palladiumのホテルクレジットは半期区切り・2泊以上・Bilt Travel経由という条件付きで、繰り越しはありません。
- groceryの上限:Obsidianのgrocery 3Xは年間$25,000までです。
- 帰国で住居費支出が消える:帰国後は中心的な価値がなくなります。
- クレジットヒストリーが浅い段階:渡米直後は審査の面で選択肢が限られることがあります(承認は保証されません)。
駐在の残り期間別の判断
- 残り3年以上:住居費の支払いが続く前提で、長期的にポイントを積み上げる価値が出やすい期間です。まずBlueで運用を始め、支出構成が見えてから上位を検討する順序が安全です。
- 残り2年:dining / groceryの支出が明確ならObsidianも候補になります。
- 残り1年:新規発行するなら、残り契約期間で獲得できるポイント量と、消化できるクレジットの回数を具体的に見積もってください。年会費のかかるグレードは慎重に。
- 残り6か月:新規発行より、残り期間別の駐在員戦略に沿って既存ポイントの消化を優先してください。
Welcome Offerの見方
入会特典・キャンペーンの内容は時期により変動するため、本記事では数値を掲載しません。判断の際は「住居費を対象にできる条件を満たせるか」「獲得ポイントの出口があるか」を、申込直前に公式ページで確認してください。
申込前チェックリスト
- 住居費は自分名義で、自分が支払っているか
- 管理会社の支払い先として、Bilt側のaccount / routing numberを登録できるか
- 住居費以外にどのカテゴリをBiltへ寄せるかを決めたか(グレード選択の前提)
- Obsidian / Palladiumを選ぶなら、半期ごとのホテルクレジット条件(2泊以上)を満たす旅程があるか
- 貯めたポイントの出口(移行先)を具体的に想定できているか
- 年会費・獲得条件・提携先の最新値を公式で確認したか
ZAISTEPの結論
自分で住居費を払っている駐在員にとっては、他カードでは拾えない支出を拾える点で検討価値があります。まずは年会費$0のBlueで住居費のポイント化を始め、dining / groceryの実支出が大きいと確認できたらObsidian、旅行頻度とPriority Passの価値まで見合うならPalladium、という段階的な考え方が現実的です。会社が家賃を負担している場合は、優先度は下がります。Chase URやAmex MR中心のカードと組み合わせ、住居費分だけBiltで拾う運用が多くの駐在世帯にとって扱いやすい形になります。